ポッポ焼き屋

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おそ松さんに見るリメイクアニメの奇抜な新規開拓戦略

   

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「おそ松さん」1話を見て、「あーこの作品は、昔からのファンより新規ファン獲得のために作ったんだなー」と思い、今回思わずこのような記事を書きました。

 

リメイクアニメの成功と分析

最近のアニメ業界では昔のアニメをリメイクするものが増えています。

例えば、

宇宙戦艦ヤマト2199

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新世紀エヴァンゲリオン新劇場版

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そして、成功しているリメイクアニメの特徴として

① 従来のファンをターゲットにした戦略
② 高クオリティな作画

の2点があげられます。

 

①従来のファンをターゲットにした戦略については、「ヤマト」も「エヴァ」も

旧来のファンを意識した作りをしていました。

 

冒頭1話は、原作をほぼ忠実に再現し、それでいて話が進むごとに

過去の放送されたものを知っている視聴者を満足させる内容だったり、

あえて、それを裏切った内容を作り、驚きを与えています。

どちらにしろ、昔放送されていた原作アニメを知っていることを前提にした作り方です。

 

視聴者は自分が過去に見たアニメを懐かしく思い、更に「原作はこういう展開になった」という固定概念からのどんでん返しに驚きます。

これは原作アニメを未視聴の新規ファンをあえて無視した作り方です。

 

②高クオリティの作画は、リメイクの原作アニメは大体がセル画で作られました。

当時としてはクオリティは高かったのでしょうが、時代は進み、映像技術も進化しています。

そんな進化した映像技術をふんだんに使い、リメイクアニメとして再構築する。

「当時のアニメがこんなに綺麗に生まれ変わったのか」とファンは驚きます。

 

以上、リメイクアニメの特徴ですが、共通しているのが

「旧来のファンを大事にし、新規ファンは重要視していない点」です。

もちろん、リメイクアニメのクオリティは高いため、新規ファンも自然につきますが、

あくまで戦略としては「旧来のファンに満足してもらう」に沿って、作られています。

 

リメイクアニメの失敗例。敗因はターゲット層の分散

ちなみに、「旧来ファン」も「新規ファン」も両方獲得しようとした作品もあります。

例として「セーラームーン crystal」

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特徴として

・原作アニメと同様に主人公を同じ声優にし、旧来ファンにアピール
・他のキャラは新規声優で、新規ファンへアピール
・デザインとストーリーは原作マンガを基にして、原作マンガファンにアピール
・主題歌は桃色クローバーで、新規ファンにアピール

 

結果、大きな話題にもならず、セーラームーンシリーズ関わらず、円盤の売上も劇的に言い訳ではありません。

おそらく、敗因としては、ターゲット層をしぼらず、どっちつかずになってしまったためではないでしょうか?

旧来のアニメファンをターゲットにするなら、昔のアニメを彷彿させるオープニング映像や

古参ファンがニヤリとさせるような演出などいくらでもあったはずです。

にも関わらず、キャラデザ・ストーリーは原作マンガから流用し、オープニングは流行を意識したアーティストを起用。申し訳程度で声優を旧アニメと一部同じと、戦略がバラバラでエネルギーが分散している感じです。

セーラームーンという強力なコンテンツにも関わらず、失敗したのは、

顧客ターゲットを絞らなかったのが大きな原因でしょう。

 

おそ松さんは新規ファン獲得に意欲的な作品

で、最近はじまった、おそ松くんのリメイクアニメ「おそ松さん」

放送前までは、「おそ松くんを見ていた層なんかアニメなんて見ないだろう」

(おそ松くん第1作は1966年、つまり約50年前!?)

一体、誰に対するアニメなのかと疑問に思っていましたが、

第1話を見た瞬間、疑問が氷解しました。

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パロディ・パロディ・パロディの嵐・・・っ!

・・・まぁ、内容が面白いか、面白くないかはともかく、

製作陣の方針は分かりました。

 

おそ松さんの戦略、それは「おそ松くん」というキャラを使った現代風ギャクアニメである。

そして、おそ松くんのネームバリューに一切頼らず、新規ファンを獲得しようとする強い意志感じました。

 

なぜ、今更おそ松くんのリメイクを決定したのかは分かりませんが、

おそ松くんの旧来のファンはアニメを殆ど見ないです。(1作目を見てた人は今は老人です)

つまり、おそ松くんブランドは客寄せとして全く意味をなしません

 

これは逆にアニメを作る上で、おそ松くん要素を無視しても問題ない訳です。

おそ松くんのキャラという最低限の設定だけを使用し、ギャクアニメを作る

おそ松さんは「リメイクアニメ」というより「疑似新規アニメ」という立ち位置なのです。

 

 

まとめ:古いアニメを使った新しいリメイクのスタイル

「おそ松さん」は新しいリメイクの作り方だと思います。

昔の原作を使用し、話題性を確保しながらも、旧来のファンより新規ファン獲得を重視するスタイル

 

利点としては、原作のキャラクターを活用出来る点です。

キャラクターが魅力でなければ、(いくら昔でも)ヒットしなかったはずです。

そして、キャラクターは不変です。

「おそ松さん」の例でも、おそ松くん6つ子のキャラクターは魅力的です。

キャラをうまく抽出・活用し、現代劇に落とし込む。

 

一から設定・キャラを作るより、元からあるキャラを使えるので省力化にもなります。

(キャラ作りが一番重要なので)

このとき重要なのは、何がそのキャラが魅力的なのか、きちんと分析することでしょうか。

例えば、最近リメイク映画がでた「ガンバの冒険」は原作のキャラで最も強力なのが

ラスボスの「ノロイ」です。

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圧倒的な存在感、狡猾さ、絶望感など現在でも語り継がれている最強のラスボスです。

にも関わらず、リメイク映画はノロイの存在感が薄く、ただのイタチのボスって感じです。

一言でいうとキャラを殺しているのです。

映画の予告でも、ノロいの絶望的な強さをキチンと描ければ、映画は成功したのではないでしょうか?

参考

図書館戦争 THE LAST MISSION」が初登場1位、「バクマン。」が2位(10月10日-10月11日)(2015.10.13)
http://www.kogyotsushin.com/archives/topics/t8/201510/13194757.php
7位には児童小説「冒険者たち ガンバと15匹の仲間」を映像制作会社「白組」が
3DCGで新たにアニメ映画化した『GAMBA ガンバと仲間たち』(東映)がランクイン。
596スクリーンで公開され、土日2日間で動員5万8740人、興収7505万3900円をあげた。
人気の声優、梶裕貴が主人公ガンバを演じるほか、神田沙也加が声優として参加し、劇中歌も披露している。

 

新しいリメイクのあり方を示してくれた「おそ松さん」

ヒットの鍵はキャラクターをどれだけうまく活用出来るかという点で決まるでしょう。

成功すれば新しいビジネスモデルとして確立出来るので、頑張って欲しいです。

 

感謝

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